【ライヴレポート】LUNA SEA、<The Holy Night>初日「いかがですか?“LUNATIC X’MAS”は」

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LUNA SEAが12月23日および24日の2日間、さいたまスーパーアリーナにて単独ライヴ<LUNA SEA The Holy Night 2017>を開催した。その初日公演の模様をお届けしたい。

◆LUNA SEA画像

初日23日のライヴでは開演時刻の17時をまわってアナウンスが流れると場内にハンドクラップが起こり、待ちきれずに立ち上がるオーディエンスも多数。SEの「月光」が流れる中、エメラルドグリーンの照明が客席に降り注ぎ、暗転したステージにメンバーが姿を現した。すると、さいたまスーパーアリーナは怒涛の大歓声に沸いた。


この日のオープニングナンバーは1997年の活動休止後、一発目にリリースされた「STORM」。“手を伸ばさなきゃ あの光さえつかめない”とメッセージする勢いのカタマリのようなエネルギッシュなナンバーがいきなり放たれた。「アリーナ!」とRYUICHIが叫び、ライヴのキラーチューン「Dejavu」へ。“ウォォォー!”という歓声と共に場内は揺れまくるほどの一体感。シンガロングが場内に響きわたった。

「元気ですか? 毎年こうしてみんなと、この時期に、23日に逢えるのをとても楽しみにしてます。どうもありがとう! 巷ではイブイブと呼ぶんでしょうか。“LUNATIC X’MAS”を思いきり、今宵も楽しみましょう! いいですか?!」──RYUICHI


新しいLUNA SEAの息吹を感じさせる4年ぶりのオリジナルアルバム『LUV』を完成させたばかりのせいか、LUNA SEAの演奏、パフォーマンスには突き抜けた開放感が感じられた。力強さと艶やかさを増した「TRUE BLUE」が披露され、SUGIZOのギターが冴え渡る。Jのベースが荒々しいモードで挑発する「Sweetest Coma Again」は熱が渦巻くようなヴォーカルと演奏が圧巻。真矢のドラムのエンディングの技も鮮烈な印象を残した。

「アルバム『LUV』は届きましたか? 4年ぶりの作品で、とっても長い時間、待たせちゃったけど、5人で大切に作ってみんなに届けたので、今日は『LUV』の中からやらなきゃいけないよね。世界では愛憎劇というか、戦争、紛争、いろんなことが起こっています。俺たちに何ができるかわからないけど、そんな現実を直視して作ったアルバムでもあります」──RYUICHI

RYUICHIがアルバムについて触れ、新曲が3曲たて続けに披露されたのは、この日のハイライトでもあった。


『LUV』のオープニングを飾るリード曲「Hold You Down」ではライヴ初披露にも関わらず、途中から自然とハンドクラップが沸き起こった。高い空へと向かっていくかのような高揚感と光が降り注ぐようなキラめくサウンドがメロディと溶け合って、新たな扉を開けたLUNA SEAを感じさせた。続く「Brand New Days」はストレートで力強くシンプルなアプローチと際立つサビのメロディにバンドの今が反映されたナンバー。Jがコーラスをとる同曲の瑞々しさにも驚かされた。そしてステージから放たれるまばゆい光がさらに明度を増したのがミラーボールの光が客席を照らした「誓い文」だ。RYUICHIの抜ける軽やかなヴォーカル、跳ねるビート、SUGIZOの伸びやかなギター、INORANがセミアコで奏でるフックのあるフレーズ。口ずさみたくなる歌のメロディはコーラスを含めて、LUNA SEAの楽曲の中でも群を抜いてポップだ。

RYUICHIが「アルバムにはLUNA SEAの核の部分と新しい扉とたくさんの要素が入っている」と告げ、ライヴは中盤戦に。

最新シングル「LIMIT」では曲名を告げた瞬間、「おお〜っ!」という声があちこちから漏れ、疾走感たっぷりの演奏とRYUICHIの気迫に満ちたヴォーカルが場内を熱くさせた。打って変わって、柔らかな光で包みこんだのはSUGIZOがヴァイオリンを奏で、INORANとRYUICHIがアコギに持ち替えた「I’ll Stay With You」。ブルーとグリーンの照明が曲の持つ幻想的なムードを増幅させた「absorb」も、月日を重ねたからこそのLUNA SEAの押し引きのある演奏が印象的。オーディエンスも手を振ってこの曲の心地良さに身を委ねていた。


“真矢コール”で場内がひとつになった匠の技のドラムソロ、スーパーアリーナをクラブ空間に変えたJのベースソロも斬新で、熱いコール&レスポンスからライヴは1stシングル「BELIEVE」でスタートする後半戦へ。1998年の復活第一弾だったシングル「STORM」で始まったセットリストの流れからして、これまでの彼らの方程式を打ち破ってくれたが、構成ひとつとってもLUNA SEAが新たな章に突入したことを感じさせてくれた。

珠玉のバラード「I for You」は“いつも支えてくれるみんなに贈ります”という言葉とともに届けられた。そしてスモークが立ち込める中、ダイナミックなSUGIZOのギターとJのベースソロに大興奮となったライヴの必殺チューン「JESUS」へ。INORANの合図で4人がセンターに集結したポップチューン「SHINE」では新作『LUV』と地続きにあるようなキラキラとした光が注がれた。LUNA 結成当初から演奏され続けている「TIME IS DEAD」ではSUGIZOとJが上手スロープで背中合わせでプレイする場面も飛び出し、客席も声を張り上げて全力で参加。

本編ラストナンバーはRYUICHIが「全員でかかってこい!」と叫び、銀テープが放たれた「WISH」。SUGIZOがINORANの背後から近寄って迫るとINORANがオーバーにひっくり返り、寝転んでふざけながら絡んだり、RYUICHIがINORANにぐいぐい近寄っていったりと和気藹々。その様子を真矢が微笑ましげに見ていたりと幸せな空気がステージと客席を満たし、大合唱がさいたまスーパーアリーナに響きわたった。


客席が照らすスマートフォンの光がクリスマスムードを演出し、LUNA SEAのスペシャルライヴ恒例の「聖しこの夜」を歌うオーディエンスの声が徐々に大きくなっていったアンコール。やがてメンバーが姿を表わし、SUGIZOが同じようにスマホの光を掲げたり、みんなの歌う声に耳を傾けたりと嬉しそうな表情だ。

その絶景にRYUICHIが、「宇宙に浮かんでるみたい。きれいだね。どうもありがとう。いかがですか? “LUNATIC X’MAS”は?」と問いかけ、「23日といえばLUNA SEAのクリスマスだよね? じゃあ、僕らからのクリスマスプレゼントをお届けしたいと思います」と伝え、2016年の“たまアリ公演”で会場限定発売されたLUNA SEA初のクリスマスソング「HOLY KNIGHT」を披露。ロマンティックなラブバラードが会場を包みこんだ。

メンバー紹介ではJが「最高の夜です。どうもありがとう!」と伝え、INORANが「やっとアルバム出たね!」と叫び、SUGIZOが「みんな今日、話、短いね」と笑いながら、「3つあります」と告げる。まずはRYUICHIの“LUNATIC X’MAS”という表現を絶賛、(来年の衣装は“真っ黒なサンタ”で、と提案)、2つめは今回のライヴが再生可能エネルギー由来の水素と燃料電池自動車でまかなわれていてクリアな音になっていることを報告。3つめにアルバム『LUV』が賛否両論を巻き起こしていることに触れ、「これまでもLUNA SEAのアルバムは毎回そうだった」とした上で「俺たちは常に次に行きたいんです。今までのLUNA SEAのままでいてもしょうがない。新しいLUNA SEAを常に探していて。でも、新しいLUNA SEAを気に入ってもらえたらとても嬉しいです。もし、好きじゃなかったらごめんなさい。でも、これが40代後半の僕らの真実なので(笑)」と語った。そしてRYUICHIから大先生と紹介された真矢は「SUGIZOが3つあるんだったら、僕も3つあります」とドラム台から降り、「ズボンの丈の短さはファッションである」など丈について3つの論点から語り、みんな爆笑。

「このさいたまスーパアリーナ、毎年やるにしても毎年飛び越えていきたいなと思うよね。もっとすごい景色をみんなで見に行きたくない?」──RYUICHI


RYUICHIが締めて、最後は問答無用の強力ナンバー「ROSIER」と「TONIGHT」の2連発。アンコールを求める声は鳴り止まなかったが、最後はみんなで手を繋いでジャンプ。終演後のスクリーンにはアルバム『LUV』を携えた全国ツアー<LIVE TOUR 2018 The LUV -World left behind->の日程が映し出され、一瞬の間の後、センターに何やら赤いかすれた物体がスクリーンノイズと共に出現、それが消えた瞬間“NEXT ACTION!”文字が。しかし、浮かび上がったのは“12.24”という数字で、翌日となる<LUNA SEA The Holy Night 2017>2日目の予告だった。やや肩透かしの客席から笑いが起こりつつ、拍手喝采という場面には笑顔も揺れた。

初日12月23日の“LUNATIC X’MAS”はLUNA SEAの未来に夢を繋げ、幕を閉じた。

取材・文◎山本弘子
写真提供◎LUNA SEA Inc.

■<LUNA SEA The Holy Night 2017>12月23日@さいたまスーパーアリーナSETLIST

01.STORM
02.Dejavu
03.TRUE BLUE
04.Sweetest Coma Again
05.Hold You Down
06.Brand New Days
07.誓い文
08.Limit
09.I'll Stay With You
10.absorb
11.Drum Solo & Bass Solo
12.BELIEVE
13.I for You
14.JESUS
15.SHINE
16.TIME IS DEAD
17.WISH
encore
en1.HOLY KNIGHT
en2.ROSIER
en3.TONIGHT

■<LUNATIC FEST. 2018>

2018年6月23日(土)千葉・幕張メッセ
2018年6月24日(日)千葉・幕張メッセ
LUNATIC FEST.特設サイト:http://lunaticfest.com/


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